第5章 流星群が誘う旅
次の日の朝目覚めると、薄い障子を通った光が部屋を明るくしている。
「今日も晴れるのかな…んん…気持ちいいぃん…んん」
シーツのさっぱりとした感触がとても気持ちが良くて、ひなたは布団の中で脚を開いて転がる。着ている浴衣がはだけてしまいそうだけど、眠けと布団の心地良さの中で思いっきり自由を味わっていた。
でも、ガバッと起き上がる。
「あっ、今日は輝利哉君のいるお屋敷に行って、白梅の枝をもらわなくっちゃ! 」
ゆっくりなどしてはいられない。一刻も早く白梅を、おじいちゃんに持って帰って、その手に握らせる。この時代の白梅に触れたら、おじいちゃんも元気になるかもしれない。だって、この時代には耀哉とあまねが生きている。
二人の愛が染み染みかもしれない木だ。
「よしっ!やるっ!! 」
「何をやるの?おはようひなた」
襖を開けて、あまねが部屋に入って来た。
「おはようございます!あまねさん、私今日、輝利哉君の所へ行ってきます! 」
「お館様にきいていますよ。車を用意しますから、行って来なさい。その前に、ご飯を食べて行きなさい」
と、言われて壁の時計を見ると8時を過ぎていた。
「ひなたがよく寝ていたから、起こさなかったのよ。ひなき達は早くあなたと遊びたがっていたけれど、ゆっくり寝かせたかったから止めたの」
昨日よりも、もっと親しみの篭った目でひなたを見る。鏡に映った一人の人間のように、あまねとひなたはよく似ていた。
時間を超えて出会って、でも詳しい説明もいらなくて…。ただ、目の前にいるひなたの事を愛おしいと思っている、そんなあまねの瞳。
顔を見合わせているだけで、ひなたの中にも愛情が湧き出すのを感じた。
言葉はいらなかった。愛している。この人達を。