第5章 流星群が誘う旅
「またお連れしますよ。俺の任務が入ってない日ならいつでも言ってください」
後藤さんはまた産屋敷邸に送ってくれた。日が暮れる前にひなたを送り届けるよう、時間を気にしているのが不思議だった。
「ただいま帰りました! 」
お屋敷に帰り着いたのは5時前で、外はまだ明るかった。
「お帰りなさいませ、ひなたちゃん」
玄関先に迎えに来てくれた可愛いひなきちゃん、にちかちゃん、そしてあまねさんを見ると、自分の家に帰って来た安心感がある。今日ここに来たばかりなのに、こんなに安らぎを感じるのは、やはり曽祖母の家だからだろうか。
「ひなた、軟膏は無事に買えましたか? 」
「あまねさん、沢山買って来ました。皆にもお土産があるの! 」
産屋敷家の居間で買って来た練り香水を皆にプレゼントすると、三人共喜んでくれた。小さな丸いブリキの容器に梅の型押しがしてあって、ほんのり緋色の色で塗ってある。可愛いらしい見た目にも歓声をあげてくれる。
「まぁ、とても良い香り。白梅が咲く頃に花に近づくと、この香りがするわ」
あまねさんは白い指先で練り香水を擦ると、指先に映った香りを確かめて微笑んだ。
耳の後ろにちょん、とつけて優しく塗り込んでいる。
「お母様、私もやってみたいです! 」
「私も!! 」
にちかちゃんとひなきちゃんも、練り香水を開けて指先で取った。あまねさんに教えてもらいながら、二人共耳の後ろに香を擦り込む。
「わぁ、良い香りがします」
「甘酸っぱくて、優しいね」
梅の香りに喜んでいる二人を見て、あまねさんは優しく笑っている。
「ひなた、こんなに素敵な贈り物をありがとう。二人もとても喜んでいます」