第5章 流星群が誘う旅
ひなたが紗奈と呟いたのを見て、後藤さんは慌ててひなたに向き直った。
「お嬢様すみません!こいつ、早苗って言うんです。さっき話した俺の妹で、鬼殺隊では隠をやってます。一年目でまだひよっこです」
後藤さんは早苗ちゃんの頭を手でグッと押さえて頭を下げさせた。
「挨拶しろ!お館様のご内儀のあまね様のご親族の御方だ! 」
「うそっ、早く言ってよ」
早苗さんはペコリと頭を下げた。そんな風に気取りのない仕草も、紗奈と似ていて懐かしい気持ちになる。
「宜しくお願いします。紗奈!…じゃなく早苗さん。私は産屋敷ひなたです」
そう言えば、紗奈の名字は後藤紗奈である。もしかして、紗奈とは古い繋がりがあったのだろうか。
だとしたら、この二人はひなたにとって、とてもとても大切な人達で間違いない。
「私ね、今日は後藤さんにお買い物に連れて来てもらったの。このお店でお土産買いたいんだ。早苗ちゃんのおすすめの練り香水を見てみようかな! 」
「ほんとに⁈ この店のはさ、すっごく良い匂いで容器も可愛いの!桜と百合の香りと梅もあるんだよ、行こ! 」
早苗ちゃんはひなたの手を取るとお店に入った。
練り香水は何種類もあって、金木犀の香りもある。でもやっぱり、梅の香りは爽やかな中に切なくなるような甘さが混じっていて、白梅を連想させる。
「これにする!五つ子ちゃんだから5個とぉ、あまねさんと私も一つ! 」
ひなたが練り香水のブリキの可愛い缶を次々に手に取ると、早苗は笑った。
「いっぱい買うじゃん。じゃあ私もそれにするよ」
これを皆で使ったら、梅の香りがあちこちからするなぁと思うと楽しみだ。ひなたはお金を払い、店を出た。