第5章 流星群が誘う旅
「ここです」
歴史を感じる立派な店構えの薬局だ。看板には天保十年創業と書いてある。
東仙八薬堂と書かれた古い看板は貫禄がある。
「うわあ…なんかハーブみたいな香りがする」
「生薬を調合してますからね、独特な匂いがするんですよ」
後藤さんはお店の人に良く効く軟膏を注文すると、チューブに入った物を持って来てくれた。
「打ち身や切り傷などに効きます。塗りこんで暫くすると、痕も残りにくいです。ちょっと匂いがしますけど」
お店の人に匂わせてもらうと、強いハーブのような香りはするものの、嫌な匂いではなかった。
「これください。金髪青年に3本、あと5本買っておこうかな」
「そんなに何するんすか⁈ 」
後藤さんは驚いていた。
「効きそうだからおじいちゃんにもお土産にしようかなって」
「ほー」
お店を出て、ひなたは後藤さんに軟膏を渡した。
「え…⁈ 俺に⁉︎ 」
「はい。後藤さんにもプレゼントしますね。不死川さんからです」
ひなたがにっこりと笑って言うと、後藤さんは真っ赤になった。
「……すみません…ぃただぃてしまぃます…」
モゴモゴと口の中で呟いた後、お仕事モードに戻る。
「あのっ、お嬢様!他に買い物したいとこはありますか? 」
ひなたはキョロキョロ見回した。端から順に覗きたいくらい、様々な専門店が軒を連ねているからだ。
「さっきのかんざしのお店も行きたいんですけど、ひなきちゃん達にお土産を買いたいんです。女の子が好きそうなお店って? 」
後藤さんは、うーん…と考えて言った。
「そうっすねぇ、うちの妹が好きな店にでも行きますか? 」
「あっ、行きたいです! 」