第5章 流星群が誘う旅
「お母様、隠の方がみえました」
ひなきちゃんが静かに部屋に入って来た。まだ小さいのに作法が身に付いていて、とても綺麗な動きをする。
「もう終わります。ひなき、さっき用意した袋を持ってきて」
「はい。お母様」
ひなきちゃんが持って来てくれたのは、着物に合わせるととても可愛いらしいバッグだった。中を覗いてみると、お財布に小さな鏡やハンカチ、ちり紙など、必要なものが入っている。
「ありがとうございます! 」
着物を着て姿見で見たひなたは、一目見た瞬間から気に入ってしまった。
「ひなたちゃん、とてもきれい!! 」
遅れて部屋に入ってきたにちかちゃんと一緒に、ひなきちゃんは二人でひなたの周りをくるくると回って喜んでいる。
ひなたはこの世界に来た時、仕事から帰った所だったから、パンツとジャケットを着ていた。きっとここでは目立ってしまうと配慮してくれたのだろう。
「ひなたは洋装も似合いますが、着物もとても似合っていますね」
あまねが細かい部分をチェっクして言った。
「お母様とひなたちゃん、そっくり」
「ほんとうにそっくり! 」
ひなきちゃんとにちかちゃんが嬉しそうに言って、あまねは微笑んだ。
「ひなきとにちかもひなたによく似ていますよ。皆とても可愛らしいわ」
「本当?お母様、私達、ひなたちゃんに似ていますか⁈ 」
嬉しそうに言う二人に頷くあまねと女の子達を見ていると、ひなたも嬉しくなっていた。
「ひなきちゃんにちかちゃん、いえーぃ! 」
二人の可愛い手に手をパンと合わせようとしたら、キョトンとされてしまった。