第5章 流星群が誘う旅
ひなたはここに来た経緯を話した。全ては話せないけれど、この人達に話せる範囲の事を話した。
祖父、輝利哉が大切にしている白梅の木が、修復が難しい程に折れてしまった事。何故か自分だけが光に包まれて、この時代に来られた事。帰り方はまだ分からない事…等を。
信じられない内容だったとは思う。でも、耀哉もあまねも、ひなたが話し終わるまで静かに聞いてくれた。
「だから私、元気な頃の白梅の枝を少しだけいただきたくて」
耀哉とあまねは顔を見合わせて微笑み合った。
「ひなた。私もあまねも君を信じる。君がこの世に存在しているという事実は、私達の願いが叶えられたという証なんだよ。ひなたには理解できない話だね」
耀哉は優しくひなたに語りかけ、膝を進めてひなたの方ににじり寄った。
「ひなた。君の生きている時代から、私達の時代に来る時、大変な思いをしたのではないかな?身体は大丈夫かい」
あまねは身体を向け腕をひなたの方に伸ばした。
「ひなた。抱きしめさせて」
「はい…」
ひなたもあまねの方に身を乗り出して、あまねの胸の中に収まった。
胸に抱きしめたひなたの頭を何度も何度も撫でる。まるで存在を確かめように、何度も何度もひなたに触れた。
「ひなた」
耀哉もひなたの頭を撫でてくれる。曾祖父母と呼ぶにはあまりに若い二人に優しく包まれて、ひなたは嬉しすぎて涙がこぼれた。
「ひなた、とても可愛いね」
耀哉もひなたの頬や髪に触れている。遠い未来からやって来たひ孫は、自分達にとても良く似ていて可愛い女の子だと思う。
耀哉もあまねもひなたに何度も触れた。ひなたも初めて会う、本当なら写真ですら見る事が叶わなかった二人に会えた事が信じられない程に幸せだった。
ひなたが想像していたよりも、耀哉とあまねは美しくて、内側から輝いているような人達だった。