第5章 流星群が誘う旅
部屋に戻って襖を開けたひなたは心臓が縮むかと思った。
ひなたの布団の側に、さっきの産屋敷耀哉とあまねが並んで正座していたからだ。
「あっ、あの私お手洗いに行ってました」
長過ぎるトイレだと誤解されても、咄嗟に浮かんだ言い訳だ。そろそろと布団を捲ると、潜り込んだ。
産屋敷耀哉もあまねも、そんなひなたを静かに見つめている。耀哉は口元に優しい微笑を浮かべて、ひなたに温かな眼差しを向けた。
「柱合会議を覗いてみた感想は、どうだったかな」
「すっ、すみません! 」
ひなたはガバっと布団から起き上がった。この人は一度もひなたの方を見ていなかったのに、ひなたに気がついていた。
「君は、私達の事を知っているのかな。この屋敷には簡単に入る事ができないのに、君は庭に倒れていたそうだね」
聞く者の心を震わす優しい声だ。
「私の妻のあまねに良く似ているね。子供達が君に会ってから弾んでいるんだ。お父様、あの方のお力になって下さいとお願いされてしまったよ。君は、一体、誰なのか話してもらえるかな」
耀哉が微笑みながら言うと、あまねも口元に微笑を浮かべた、
何か、言わなければ…。耀哉の声を聞いていると、あまねの清らかな顔を見ていると…。嘘で誤魔化して適当な事を言っては駄目な気がした。
素直な気持ちで向かい合いたい。ひいおじいちゃん達なんだもの…。
ひなたは、布団から出て耀哉達の方を向き正座した。二人の若い顔を真っ直ぐに見て、口を開いた。
「私は、産屋敷ひなたといいます。あなた達二人の…ひ孫なんです」
耀哉とあまねは顔を見合わせた。
言った…。