第5章 流星群が誘う旅
もしかして、不死川さんじゃなくて、不死川さんのご先祖様なんじゃないかって。
おじいちゃんも、見間違える程に似ているって言っていた。こちらは不死川さんのひいひいおじいちゃん位に当たる人なんだ。
それにしても似ている。そっくりそのまま不死川先生だ。
「不死川さん」
「ん? 」
無意識に返事する時の声は、不死川先生と同じくらい穏やかな声だった。
「さっきはどうしてあの金髪の人を殴っていたの? 」
「あれか。早く上がって来て欲しかったからな。アイツとは初対面だったが、見どころのある奴だった。ああいう奴が、今の鬼殺隊には全然足りてねェ!実力と口とが伴ってない奴が多すぎる」
不死川さんは悔しそうな顔をした。
「だから俺は奴に拳を打ち込んだ。奴に、柱が見ている世界を見せてやりたかった。俺の一撃をよけれねェ奴には柱なんて無理だからな。幸い、奴は俺の攻撃を全て受けきった」
男にしか分からない、その人を計るための荒々しいまでのやり方、なんだな…。
不死川さんは凄く男っぽい人だから、金髪青年への激励も込められていたんだ。多少のコンプライアンスには引っかかるだろうけれど。
「そっか。分かった」
ひなたは頷いた。不死川さんは制服のポケットをガサガサと探ると、紙幣を幾らかだした。
「なぁ。これで軟膏を買って奴に渡しといてくれないか。手加減しなかったから、多分アイツは刀が握れねェ程痛くなるかもしれない」
「やっぱり!凄く痛そうだったの! 」
不死川さんはひなたの手に紙幣を無造作に握らせた。
「頼んだぞ。くれぐれも俺からって言うな! 」
それだけ言い残すと、さっと身を翻して歩き去ってしまった。
ひなたは手のひらの上のくしゃっとなった紙幣を眺めて呟いた、
「私、あの人の事、何にも知らないんだけど…。それにこれ、いくらなの⁈ 」
昔のお金なんて、初めて触ったよぉ!!