第5章 流星群が誘う旅
ひなたは男性に悟られないようにしてお庭の方へと近づいた。
開け放たれた障子の端っこらへんに隠れて、そっと庭を覗いてみる。
庭を静かに見下ろす男性の目線の先には、ずらりと並んだ人達がいた。
敷き詰められた玉砂利の上に片膝を着き、屈んで姿勢を低くしている。
耀哉に忠誠を示しているかのように、皆が耀哉に傅く。
そんな人達から少し離れた場所で、一人の髪が銀色の男性が金髪の男性に向かって何かを叫んでいた。
ひなたはより聞こえるように、少し大胆にも障子の隙間から顔を出した。
部屋の隅から顔を出している不審者のひなたの姿が見つかっても不思議ではないかもしれない。だけど、庭にいる面々は、二人の男性の方に気を取られているのか、ひなたに気がつく者はいなかった。
幸いとばかりに、ひなたは庭にいる人の姿を観察した。
皆、一人一人がアレンジの効いた制服を着ていて、特徴的な羽織を纏っている人もいる。どの人からも人並み外れたパワーが感じられて、隙のない強さが身体の表面を覆って見えるようだ。
その人達が静かに見守る目線の先には、銀色の髪をラフに風に遊ばせたような若い青年が、これまた10代と思われる若い男性に、ものすごい勢いで詰め寄っていて、何か叫びながら拳をぶつけ、足蹴りで襲いかかっていた。
「早く柱になれ! 」
凄い剣幕で叫んだ。
「お前はいつ来る?いつ座る!さっさとしやがれ馬鹿野郎がァ!」
「オラァ!やり返してこいやァ!ゴラァ!! 」
銀色の髪の男性が叫びながら振り上げた拳を、全て腕で止めた金髪の若者は、銀色の髪が煽るように繰り出す攻撃をかわした後に、叫び返した。
「殴るわけがないだろう!隊員同士の喧嘩は御法度だぞ!そもそも人を殴ってはいけない! 」
みたいな事を金髪の若者はよく通る声で言ったと思う。
話の内容はよく分からなかったけれど、金髪の人を一方的にボコボコにしようとした銀髪の人に、金髪は耐え抜いた。
「そして俺は君を殴りたくない! 」
「ありがとう!頑張るよ!! 」
金髪青年はハキハキとしたはっきりした声で言った。
「自分に殴りかかってくる奴に感謝するんじゃねェェ!! 」
銀髪の男性の声が広い庭にこだました。