第5章 流星群が誘う旅
双子は、自分達の事を産屋敷ひなき、産屋敷にちか、と名乗った。やはり産屋敷家の子供だった事で、ひなたは自分が時空を超えて過去へとやって来た事を確信した。
不死川さんに言いたい…この時代に運良くやって来れたことを。
ひなたは立ち上がった。途端に頭がクラリとしてよろけてしまった。まだ体が時間の動きについていけてないようだ。
「大丈夫でございますか?お屋敷の中に入りましょう」
両側からさりげなくひなたを支えてくれている。
「ごめんね。ひなきちゃん、にちかちゃん。どうもありがとう! 」
まだ小さな身体なのに、ごく自然にひなたに寄り添う様子は大人顔負けなくらいにサポート力を感じさせる。ひなたは感心してしまった。
屋敷に通されると、姉妹は母親を呼んで来た。ひなたが案内された客間に現れた着物姿の女性を一目見た時、心臓が跳ね上がる程の衝撃を受けた。
「産屋敷あまねと申します。お庭にお倒れになっていらしたとの事、娘達にお聞き致しました。痛む所などはございませんか? 」
涼やかな声は凛としていて、落ち着いた物腰も品格を感じさせる。
女性はそれまでひなたを直視はせずに、視線を控え目に伏せていたが、話し終えると目を上げてひなたを見た。
「……まぁ…………」
あまねも絶句している。お互いに、自分に似ている事に驚いてしまって言葉を失ってしまう程だった。
艶やかな白い髪色、抜けるような肌色、大きな瞳は澄んでいて美しい形をしている。唇は果実のように甘く清潔な形をしており、天使というか女神のような美しさだった。
あまねもひなたも、目が合った時、お互いの心に暖かいものが流れて来るのを感じた。
ひなたの方は話を聞く事でしか知らなかった、ひいおばあちゃんが生きている姿を見る事ができた喜び、あまねの方は自分に似ている女の子が目の前にいる事への驚き、それ以上にひなたという存在に対して言葉にならない愛おしさを感じた。