• テキストサイズ

【SLAM DUNK】さよならロストジェネレーション。

第1章 #1:おもしろいチーム



残り9分。
試合再開。

しかし、当然といえば当然だが、桜木くんはものすごく緊張していた。
それはもう周りが見えないほどに。
緊張のあまり体が思うように動かずトラベリングをしたり、フェイントに見事に引っかかり魚住くんにダイブをかましたり。
鼻から血を流す魚住くんも止血をするためにベンチへと戻っていった。
わざとではないけど、もしこれが公式試合だったらアンスポーツマンライク・ファウルが取られてしまう。
どうやったら緊張をほぐすことができるだろう、と考える私の目に衝撃の光景が映った。

流川くんが桜木くんのおしりを思い切り蹴り上げたのだ。

「どあほう。このいつまでもガチガチキンチョーしまくり男」

その言葉は桜木くんの癪に障ったのか、殴り合いの喧嘩が始まった。

「おい小暮くん、こんなんじゃ試合放棄とみなすがいいかね!?」
「そ……そんな殺生な!!」
「田岡先生、もう少しだけ、もう少しだけ様子見てもらう事ってできないですか?」
「しかしだね……」
「田岡先生の言いたいことも分かります。確かにスポーツマンらしくはないけど、彼は誰よりも一生懸命な子だと思うんです。空回りしまくりだけど。お願いします」
「……次、同じような事をしたら問答無用で試合を終わらせるよ」
「ありがとうございます」

田岡先生に頭を下げて、私はベンチに戻った。
湘北メンバーはぽかんと口を開けていたけど、この試合はきっと彼らにとってとても大切なものな気がする。
特に桜木くんのジャンプ力。
フェイクに引っかかって魚住くんに怪我を負わせてしまったが、その時に見せたジャンプ力は目を見張るものがあった。
もう少し見てみたい、桜木くんのプレーを。


/ 19ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp