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【SLAM DUNK】さよならロストジェネレーション。

第2章 #2:問題児軍団





練習が終わり、軽くミーティングをし本日の部活は無事に終了した。
パパは駐車場へ、私は駐輪場へ。
明日は今日より少し早く来れるだろう。
なんたって4限で終わりですからね。

ふふん、と鼻歌を歌いながら自転車に跨ろうとしたときだった。

「おい」
「うぎゃっ!!」

後ろから急に声を掛けられた。
心臓がどきーんと飛び出しそうな程跳ねている。
後ろを振り向くと、そこには少し眠たそうな流川君の姿が。

「どうしたんだい、少年よ。眠たいなら早く家に帰りな」
「明日、またやるっすよね」
「部活を?そりゃやるだろうよ。休みの連絡しなかったでしょ」
「ちげー。朝、あのコートで」

箇条書きみたいな喋り方だな。

「自主練って事?また1on1すんの?」
「おー」
「…………君の、」

君の練習にならなくない?

言いかけて飲み込んだ。
突き放す言い方だ、これは流川君のためのものじゃない。

「いいよ、じゃあ同じ時間にあのコートでね」

自分の汚い部分に触れて、落ち込んだ私は勝手に気まずくなてそそくさとその場を後にしようとした。
だがしかし、ここでもまた阻まれた。
背負っていたリュックの紐を掴まれた。

「連絡先、教えろ」
「は?」
「いちいち探して声かけるのめんどー」

くあっと欠伸をする呑気でマイペースな流川君に乾いた笑みが零れた。
個人間での連絡先交換はトラブルや危険性が伴う事が大きい。
そうなった時、処罰を受けるのは私だけど、下手したらバスケ部も処罰される可能性もある。
それを考えると安易に連絡先を交換するわけにはいかない。
しかも彼はまだ未成年だ。
いくら私がここの教師ではないとは言え、部活のアシスタントコーチと部員と言う関係性は教師と生徒という関係性となんら変わりない。
保護者の同意が必要になってくる場合もある。

「連絡先、教えるのはごめん。できない」

いい断り方あるかなって考えたけど、ストレートな言い方の方が、きっと流川君には伝わる。

「大人の事情で色々あるって言うのもそうだし、君はまだ未成年だからね。もし、本当にどうしても連絡先を交換しなくちゃいけないってなったら保護者の人に許可を貰ってきて。じゃないと、今すぐここでってことはできない。ごめん」

流川君は何も言わなかった。
その空気に堪えられなくて、私は逃げる様に彼の横を通りすぎた。


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