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【SLAM DUNK】さよならロストジェネレーション。

第1章 #1:おもしろいチーム






後半戦が始まる、というその時。
パパが何やら陵南の監督(確か田岡監督だった気がする)と話をしていた。
二人の視線が私の方へと向くと田岡監督は驚いた顔をしたのち、「下で見たらどうだ?」と声を掛けてきた。
少し戸惑ったけど好意を無駄にしたくなかったし何より近くで見たいという気持ちの方が大きかった。
私は「ありがとうございます!!」と叫んでギャラリーを後にして体育館へと向かった。

「まさか君も見に来ているだなんて思わなかったよ。早く言ってくれれば椅子を用意したのに。おい、彦一!椅子をもう一脚用意しろ!!」
「気にしないでください。適当なところで見るつもりなので」
「いやいや、ちゃんといい場所で見ていってくれ」
「ありがとうございます」

和気藹々と会話をする私と田岡監督に興味津々な選手たちからはちらちらと視線が送られてくるが、両監督が「後で紹介する」と声を掛けていた。

私は湘北ベンチの近くに椅子を置いて腰を掛けコートの中を見つめた。
ギャラリーとは違い、選手たちの熱気や息遣いなどが間近で感じられて先ほどよりも心が躍っている。

そして後半戦が始まった。
湘北の勢いは止まらないまま、点数の差は5点まで縮まった。
流石に田岡監督はタイムアウトを取らざるをえない状況へとなった。
そりゃ県ベスト4のチームが弱小チームにここまで追いつめられたとなれば、怒りたくもなる。

その時。
陵南のベンチが騒がしくなった。
視線を向けると、そこにはなぜか赤髪の子が陵南の作戦を盗み聞きしていた。

「……あの子問題児すぎない?大丈夫?」
「ほっほっほっ」
「いや、笑い事じゃないでしょう」

呆れを通り越して脱力感すらある。
なんでバスケ部にいるんだろう、この子は。

赤髪の子は赤木くんに怒鳴られ縄で縛られベンチに戻されてきた。
扱いがもはや野生動物と一緒なんだよな。

「まったく!アタマを冷やせ!!」

マネージャの女の子に物理的にコールドスプレーで頭を冷やされる始末。
少し面白くて笑ってしまいそうになったのは秘密。


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