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【SLAM DUNK】さよならロストジェネレーション。

第1章 #1:おもしろいチーム




その日の夜、お風呂から上がった私はパパに呼ばれた。
パパはお茶をずずず、と飲んで一息つくと、

「明日、陵南高校との練習試合があるんだが見にくるか?」

そう言った。

「え、陵南高校?明日?え?練習試合?……えっと、パパが監督してる高校ってどこだっけ。強豪だっけ?」
「湘北高校だよ」

湘北高校。
名前だけは知っているけどバスケ強かったっけ?

頭にハテナマークを付けていると、パパは続けて言った。

「今年の湘北は面白いメンバーが揃っていてね。にも見せてあげたいと思ったんだよ」
「……ねぇ、何企んでるの?」
「企む……?はて、なんのことかな」

とぼけたような顔をするパパを見て、私は少しいらってした。
こういう時のパパは絶対何かを企んでいるのだ。

「何企んでるのか知らないけど、はっきり言わないならその試合見に行かない」

拗ねた子供のような態度でそう言うと、パパは楽しそうに笑った。
なにがおもしろいんだ。

「実はに湘北のアシスタントコーチを頼みたくてね」
「アシスタントコーチぃぃぃ?」
「そう。アシスタントコーチ。資格は持っているだろう」

持っているけど。
でもコーチや監督になりたくて取ったわけじゃなくて、何か資格が欲しくて取っただけだし。
それにコーチだなんて、そんなの引き受けたらさぁ。

「もし、練習試合を見て、退屈に思うようだったら断ってくれてもいいよ」
「……その言い方だと、退屈させないみたいな感じじゃん」
「ほっほっほ。退屈せんよ」

こんなに楽しそうなパパは久しぶりに見たかもしれない。
昔はもっと怖くて厳しくて何かに対して苛立っていたのに。
私は「わかった。試合見て考えるよ。でもつまんなかったら帰るから」と言い放った。
パパはそれでも楽しそうに嬉しそうに笑っていて、そんなに今のバスケは楽しいのかとちょっとだけ羨ましくなった。

多分パパは私からバスケを遠ざけないためにこんな提案をしたんだ。
確かに遠ざけてた時期はあるけど。
心配性なのは今も昔も変わらないな。



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