• テキストサイズ

【SLAM DUNK】さよならロストジェネレーション。

第2章 #2:問題児軍団




翌日。
ケータイのアラームで目を覚まし、ぐっとの伸びをする。
ぼんやりとした頭で、身支度をしながら昨日のことを思い出す。
パパに言われて見に行った湘北と陵南の練習試合。
その試合がおもしろければ、湘北のアシスタントコーチになるという約束を交わし(パパの戦略にハマっただけ)、晴れて私は今日から湘北高校のアシスタントコーチになりました。
もののみごとにしてやられた気分だけど、脳裏に蘇る昨日の記憶は、まだ熱が冷めることなく鮮明に焼き付いている。

パパが私を誘ったのは、素人だけど身体能力がずば抜けている桜木君の育成が目的なんだろう。

もう一度、背伸びをし私は家を出た。
桜木君の育成もそうだけど、今はもう一人のルーキーを育てなくては。
熱烈なお誘いを受けたんだ、応えてあげなくちゃ。
………ブランクある私が現役選手に敵うかどうかが置いといて。

湘北高校の近くにストリートコートがある。
バスケを愛する少年少女が集まっては、楽しそうにボールを追いかけ笑い声や悔しそうな声が響く。
だけど、今はシンと静まり返り賑やかな雰囲気はどこにもない。
それもそうだろう。
だって、ただいまの時刻は6時18分なのだから。
こんな朝早くストリートコートにいるのは、自主練に励む人間くらいだ。
だけど、いまはそんな人間もいない。

私は軽く準備運動を済ませ、自転車の籠に乗せたバスケットボールを手にし、ゴール下へと移動する。
響くボールの音が心地いい。

レイアップ、ゴール下シュート、スリーポイント。
それぞれ何本か決めるころには、程よく身体が温まっていた。

「ふぅ……」

軽く汗を拭っていると、ちょうど彼の姿が見えた。
イヤホンを耳から外し、上着を脱いでTシャツ姿で、ずんずんとこちらへ歩いてくる。

「おはよう」
「……っス」
「体は温まっているかな?」

こくりと頷く不愛想なルーキー、流川君。

「じゃあ、始めようか」

その言葉に、流川君は軽く息を吐いて低い体勢で私と対峙した。

/ 19ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp