【SLAM DUNK】さよならロストジェネレーション。
第1章 #1:おもしろいチーム
「それよりそろそろ教えていただいてもいいでしょうか。ずっと試合を見ていた彼女は……」
赤木くんの声に私は振り向いた。
すると全員の視線が私に集まって内心ビビッてしまった。
「彼女は安西さんだ。安西先生の娘さんだよ」
田岡先生の言葉に、言葉を失う彼ら。
「名前くらい聞いたことある奴いるんじゃないか?彼女は全日本ジュニアにも選ばれたほどの実力者だ」
「選ばれたといっても実際は辞退したんですけどね」
「それは、またなんで……」
小暮くんの疑問に「まぁ、私のことはいいじゃん」なんて誤魔化してしまった。
大した理由ないし、なにより頑張っている彼らに言う事でもない。
陵南高校を後にして、私達は駅へと向かった。
その途中。
「それで」
「ん?」
パパが静かに口を開いた。
「あの話は引き受けてくれるのかね?」
「…………悔しいけど、すごい面白かったしもっと見てみたいと思ってしまった」
「ホッホッホッ。じゃあ、お願いしますよ」
パパの手の上で転がされている気がするのが気に食わないけど、これはきっとパパの優しさなんだと思う。
「あの、さん……」
電車に乗って学校へ戻っている時に、マネージャーの女の子が晴子ちゃんと動揺、少し頬を赤らめて私に話しかけてきた。