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魔導人形

第5章 拠り所


……───それからというもの私はティナに少しずつ勉強を、ティナは私に魔法を教えあった。そうして5年の時が経ち、帝国は大陸をまとめあげる一大軍事国家へと変わっていた。他の大陸にも支配を広げようと帝国は活動を活発化させていた。ケフカ様が戦場に出れば必ずと言って良いほど私とティナも戦った。

「024、支度しろ。東の地に行く。船での長旅になりますから、後で困らないよう支度は十分にして下さい」

「東……、また戦いに行くの……?」

「東の地は太古の魔法文化を残す地が沢山ある、必ずや帝国領におかねば……。とはいえ、国のぶつかりはありませんよ。ですからティナ、お前は帝国に残りなさい」

ティナを連れていかないなんて珍しいな……。大陸を制覇した今、船での旅も回数が増した。ティナはこの5年で歳相応以上の落ち着きを見せ、遅れてきた思春期特有の反抗的態度も増えてきている。大人へと変わろうと、しているんだ。私がなにかと世話を焼こうとしてもそっけなくされる事もあった。なんだか寂しいものがあるけど……仕方ない。

帝国の大陸の主要な港はアルブルグにある。そして、そこから山を見るたびにあの恐怖を思い出すのだった。

「異国か……。」
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