第10章 未定
レオ将軍がふと驚いた顔をした。何に驚いたのかとケフカ様の顔を振り返るも大人とは思えない普段のぶーたれ顔である。その背後には変わらずズラズラと行進が続いている。
「……?」
「なんですモゾモゾと!大人しくなさい」
ケフカ様には言われたくない……。不服に思いながら収まり直す。先程引いたレバーは小さくあんな威力を出す為に手首を一回引くだけだなんて、まさに兵器といった作りだった。
「ビームの種類はどう変わるんですか?」
「お前、聞かなくても見れば分かるんじゃないの」
ケフカ様に言われ、アーマーをしげしげと眺める。アーマーは人間と違い固有の色をした魔力ではない。薄くてモヤモヤしていていろんな色をする白い霧のようだった。私が悩ましげに首を傾げているものだからケフカ様がレバーの根元を指差す。
「ここに縦に溝があるだろ?これがギアになってて属性が変わるんですよ。お前、魔力は分かるのにコレは分からないのか」
どこか呆れたような小馬鹿にした声音にむっとする。とはいえ事実なので反論の余地はなかった。大小様々なレバーが目に付くだけで5本はある。そのうち3つが移動の制御で触ったことがあった。