第5章 拠り所
魔法の知識もさほどないし、結局のところ私は幻獣ではないから魔法の知識を他者に与える事もできない。そう思うと研究にはあまり役立てていないのではないだろうか……。
「ここに居たのかシド……仕事はどうした?」
「ケフカ……」
「様をつけろ老いぼれ!さっさと責任者から降りて私に席を譲るのなら少しは休ませてやってもいいですが?」
「すまない……片付けてからすぐに戻るよ。」
「いいや、今!だ!!!なにを寝ぼけている!他国に情報がいつ渡るかも分からないんだぞ!!?アーマーの耐性実験に、新種魔法開発、024のこともある!体がいくつあっても足りん!024、ここはお前が片付けろ!!さあ立て!行くんだシド!!!」
「は、っはい……!」
各自が慌てて動きだしケフカ様は鼻を鳴らす、ティナだけは慣れっことばかりに足を揺らしてキョトンとしていた。
「ケフカ、みんなこわがってるよ」
「怖がらせてるんだ!!!」
「ふーん?」
憤るケフカ様と平気な顔で会話が出来るのはティナくらいだろう。