第5章 拠り所
「さて……歳だったかな。ティナがここに来たときは……そうだな、まだ赤ちゃんだったか。正確には分からないが10歳くらいだろうか?」
「10!?……そ、そうですか」
10歳というと……、それなりに読み書きが出来て言葉ももっとずっと達者なのが普通だろう。しかし考えてみればティナは会話する相手もなく、ずっとケフカ様とだけ過ごしてきたのだ。……これは勉強を教えるにも骨が折れそうだ。
「あとは……024か。024はなあ……、あー……。」
「……25、くらいでしょうか」
「そうだな……、そのくらいかもしれん。身体の成長具合からすると成人はしているな」
私の場合、生きていないので今が何歳かと言えば難しいだろう。これからティナに歳を追いつかれていくのかと思うと妙な感じだ。
「じゃあシドは?」
「私か?私は……はは、38だよ」
「じゃあケフカは?」
「ケフカ?あいつは……うーん。」
シドさんが困ったように言い淀む。確かに見た目があれだ、とてもじゃないが年齢は容姿からでは分からない。
「そう、だな……。下手すると024と同じか年下かもしれないな」
「年下!?」
「はは、そう驚くのも無理はないな。あやつの歳を私の記憶を頼りに数えてみたが、やはりそれくらいだろう。
私が帝国で魔導の研究についた時には既に青年だった」