第4章 恐怖の色
「ン……、あ……?」
ケフカ様が薄ら笑いを浮かべた。目を覚まして一番に何を思ったのか、……セリス様がいるから?何かが内側から痛む。
「………なんです、お揃いで。ここは会議室じゃありませんよ?」
「フン、……死にかけがほざくな。私は用が済んだので先に帝国に戻っている。ではな、024」
「あ、………はい」
何がおかしいのかニヤニヤ笑うケフカ様と残される、相変わらずセリス様の反応は変わらない。まだ気だるいのか意識がハッキリしないのかケフカ様は暫く宙を眺めたのち、ゆっくりとこちらに視線を向けた。
「024……、こちらへ」
「……?はい、」
呼ばれるまま近寄ると、手を出せ、と短く要求される。キョトンとしながら差し出せば手を握られた。ちょっと気恥ずかしく思っていると次の瞬間にはアスピルを唱えられてMPが奪われる。目眩と共に後悔した、近づかなきゃ良かった……。
「……おかしいですね、お前の方が丈夫になっていく」
「……?」
「研究所の修復はもうすぐ済むとの事でしたが少し急がせた方が良いかもしれないな……。」
意味がよく分からなかった。ケフカ様は精神均衡は破られているとはいえ、その圧倒的魔力で痛みは感じず傷の回復は他の誰よりずっと早いと聞いている。そのケフカ様より私が丈夫?死体で感覚もないのに。