第4章 恐怖の色
私たち以外が眠る中ケフカ様の様子を観察していた。今なら軍の目もないしティナも眠っている、この間からずっと気になっていた事を今なら聞けるチャンスかもしれない。
「セリス様は昔のケフカ様を知ってるんですよね……?昔はその、仲が……よろしかったのですか。今も……必死になられてましたし……」
セリス様はまるで気がついていなかったのか呆気にとられたのち、渋い顔をした。
「………親しくは、なかったよ。でも関わりは多かった、同門のようなものだ。ケフカは……昔から勝手ばかりする奴でな……。
まだ魔導士が一人も帝国に居なかった頃、研究は失敗を繰り返してばかりいた。人間に実際に施すにはリスクが大きかったが人体実験でしか分からないものもある。……だから、帝国軍は孤児を集めた。私とケフカもその中に居たんだ。魔力を注入する実験で数人の死人も出ていたが軍は止める気配も見せなかった。ケフカは勝手だし、私も生きるために出ていく事もできなかった。そして、
……───私の番が回ってきたんだ」
そこで一度何か思うように言葉を切り、意識のないケフカ様に視線をやった。