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魔導人形

第4章 恐怖の色


「……クソ!どうすべきだ……、わからん…。」

ブツブツ言うケフカ様を見やった、だけのつもりだった。しかし予想もしていなかったことに、あれだけ太い氷柱が身じろぎをしただけで折れて自由になってしまった。目を丸くしていると激しい痛みが四肢を襲う。

「ひぐっ!!」

「動くんじゃない!黙ってろ!!」

怒号。両手には杭のように氷柱が突き刺さっているのが見えた。ジワジワと腹や腕に熱が集まっていくのを感じる、きっと本来なら痛みが増すがもはや体が酷く損傷して分からなくなっているのだろう。なにが起きているんだろう……?

視線だけで辺りを見渡すと虹の霧は漂ったままだが“蛇”は居なくなっていた。手のひらに見えた虹色の結晶もない。どこかへ……行ったのか?激痛を感じながらも私は安堵した。これで、アレに殺されることはなくなったのだ。

「024、まだ意識はあるか?」

「あ、はい。生きてます……。」

「………自分の意思で、動けますか」

自分の意思で?さっきは動くなと言われたのに。よく分からないまま、そちらを伺い見る。

「!?け、ケフカ様……血が……!」

「ほうっておけ!!それより立つんだ……お前に起きた事はここでは分からない、帰って様々な検証をしなきゃならん……。俺様はまだ死なない……、ここではなァ!!」

その様子に気圧され縮こまると身体を縫い止めていた氷柱がケフカ様の手の一振りで消え去った。
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