第4章 恐怖の色
「虹の蛇……?」
ケフカ様は訝しげに私と扉を見比べた。ああ、もうだめだ。もうだめなんだ。あの虹に食い殺されてしまう!ケフカ様にも!殺されてしまう!私は、ここで死ぬんだ……!もう逃げられない!死ななければ!死ななければ!一刻もはやく!命を!
「あ、あ!あぁぁ……っ!!」
「!!」
ケフカ様が反応するよりも早く私の意識は虹に食い破られて滲む、視界の端に手のひらから虹色の結晶が拡がっていく。しにたくない!しにたい!虹が私に!しにたくない!
………───体感は瞬きをするほど短かった。
次に見えた景色は赤い血溜まり。死んだ……、そう思った。私は再び死んでしまったんだ。妙な安堵をしているとティナの泣き声が聞こえた。よかった……ティナはまだ生きている。ケフカ様……、ケフカ様は?
「ケ、フカ様……?」
「なんだ」
生きてる。ああ、よかった。ならきっと大丈夫だ。顔を上げたようだった、半身を起こした私は地面に縫い止められていることに気がつく。生きて、る?手をやるとザラついた氷柱が腹を突き破っている。ああ、これは……ケフカ様の手が私に向けられている。つまり、
「すみ、ません……」
「謝るくらいなら先に言え!!」