第4章 恐怖の色
身の毛がよだつとはこういう事を言うのだろうか。扉には虹が"蠢いて"いた。あの生き物はなんなのか……番人、なのか?魔物?異様な気配を纏った、触手のような……。
「う"………」
再び不快感がせりあがる。助けを求めてケフカ様に目をやれば酷く冷たく暗い眼差しが私たちを"観察"していた。
「………っ、」
不快感に恐怖が勝った。私はただ情けなく呻き、気休めに口を押さえた。殺される……きっと私を始末しにきたんだ。そんなわけない、そんなのわざわざここにくる理由がない。もしかしてティナにアレを殺させるのか?目をやるが警戒する様子もない。
「024」
ケフカ様が近寄るとおもむろに私の肩に手を置いた。ああ、また助けてくれるんだろうか。しかし次に聞こえたのは呪文ではなかった。
「お前、なにが見えます?あの扉に」
「なに……、とは…。」
「さっき光が見えたと言っていただろう、俺にはそんな光は見えていない。お前にはなにが見えている、……答えろ。」
ああ、やっぱり、殺されるのかもしれない。きっと、アレは見えてはいけないものなんだ。
「虹色の……、虹の蛇が……。扉から色がずっと、溢れて蠢いて、渦を……でも一つの何かで……、あの、あれは……あの生き物、?は、何なんですか……?」