第4章 恐怖の色
膝から崩れ落ちた私の腕を乱暴に引っ張りあげる手を感じる。きっとケフカ様だ、あの真っ赤な色が恋しい。しゃぼん玉のように視界が歪み揺らめいた虹が全て奪っていってしまう、何も見えない。すべて分からない。……恐ろしい…!
「アスピル」
「……!!!」
なかなか気持ち悪い感触だった、頭の天辺に穴が開いて張り詰めていたなにかが一気に溢れだしていくようだ。込み上げる吐き気、しかし頭痛は止み視界も戻ってきた。口を覆いながら虚ろにケフカ様を見上げる。何色にも惑わされない深い赤が、見える。
「立て、024」
「は、はい……」
よろめきながら支えられた腕を軸に立つ、気配は……消えていない。しかし気だるさと引き換えに再び立ち上がれた。虹色の濃霧が宙を犯している……。
「この洞窟は……なんなんですか、」
「ホァーッホッホ!洞窟じゃない、お前が影響を受けているのはこの先にある物なのだァ!」
訝しんでそちらを見るも上機嫌なケフカ様はお構い無しに歩き始めていた。
「ケフカ、おっきいドア!!」
「そうですねぇ」
暫く行くとケフカ様の言っていた物を目の当たりにする事になった。視界が開けた先にあったのは小さな山、そして備え付けられた大きな扉。