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魔導人形

第4章 恐怖の色


ケフカ様に連れられて街をゆく、皇帝の命の事もあってかティナと私は人相が分からぬようにフードを被る事になった。

「ふふ~、おそろい!」

機嫌がいいティナに調子の悪さは伺えない、やはり魔導兵は傷が癒えるのが早いのだろうか?ケフカ様は周りを伺う事もなく跳ねるように進んでいく。そうか、隠れる必要がそもそもないのかもしれない。帝国支配の色が濃いならあのケフカ様に無暗に近づく輩はいないだろう。……そう考えてそうしているのかはまあ……、置いといて。

街並みを抜けると遠くに山の頂きのようなものが見える。“ようなもの”というのも、その山は頂きに至るにつれて虹色の霞がかかるように鈍く光っていた。輝きながら暗く、油を水に溶かしたように淀んだ極彩色が蠢いている。

「あの光は……?」

「え?024どこ?どれっ?」

ケフカ様はといえば私とティナを眺めているだけだ。……いや、観察しているんだろうか。

「たぶん、あの山の事ですよ」

「やま?……ひかってないよ?」

「……もう少し近づいてみましょうか」

ゆっくりとそちらへ踏み出すケフカ様。私は言い知れぬ不安にかられていた。なぜだか行ってはいけないような、近づきたくないような。理由もない居心地の悪さを感じる。
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