第4章 恐怖の色
「変わった……?変わったというのは、どういう事ですか?」
「……奴も私も帝国に拾われた孤児なのさ。昔の奴は今とは違って……、」
セリス様がなにか言いかけた時、ティナが身動ぎをした。ゆっくりと身を起こし不思議そうに辺りを見渡す。
「セリスがいる……?」
「おはよう、気分はどう?」
セリス様の言葉にへらりと笑うティナ。……この様子だと、一昨日の事は覚えていないようだ。だからケフカ様はなぜ謝るのかと聞いたのだろうか?たしかに記憶はない、けど殺された人間がいるのは変わらないのに。
「……少しばかりお喋りが過ぎたな、私はもう行く。奴と鉢合わせても嫌だからな」
「あ、はい……えっと、お気をつけて」
「ああ、気をつけるよ」
一瞬面食らい、そして笑ったセリス様。私が首を傾げていると後ろ手を振って去っていった。
「ん?おやおや……、おはようティナ。私が起こしに行く前に起きたんですねえ?」
宿へティナを伴い戻ったものの、まだ眠り足りないように欠伸を溢すケフカ様とティナを交互に見つめる。
「ケフカ、どっかいくってきいた!どこ あそび いくの?」
「そうですねぇ、街の外れにでも行きましょうか」
街外れ?本当に散歩にでも行く気なんだろうか。ケフカ様は既に身支度が済んでいるらしく伸びをすると私たちを追い立てるように背を押した。