第4章 恐怖の色
ああ、でも眠っている。私とは違う。
「生きて、るんだなぁ……」
「……勝手に殺すんじゃありません。」
「!!?」
眠っているものと思っていたのに返事が返ってきて思わず身を引く。不機嫌そうに薄く開いた目がゆっくりとこちらを捉えた。
「寒いだろ……、外気が入ってくる。暴れるな」
そう言うや欠伸をつき再び寝入ろうとするケフカ様を慌てて引き留めた。
「ま、待って下さい!なんで私がケフカ様のベッドにいるんですか!?」
「何言ってるんだ……昨日もボクちんのベッドで寝てたろ」
「……?……!?」
てっきり自室が与えられたものと思っていたが、よく考えれば兵ですら相部屋だったんだ。そう都合よく部屋がとれる訳がない。
「で、でも……」
「ああもう!うるさいですねぇ…!俺様はまだ寝るんだ!!」
これはやばい、怒らせた。魔法で消し炭にされる前に口をつぐむ。しばし間がありケフカ様は宣言通りまた眠ってしまった。どう、しよう……手持ち無沙汰にその寝顔を見つめる。
睫毛長いなあ……、美容には私より気を使ってるんじゃないだろうか。血の気のない肌は粉をはたかずとも白い。……そういえばティナは?まだ具合が悪くて眠っているのかな。ケフカ様の話では今日辺りに意識が戻るんだった筈。
「……うん」
様子を見てこよう。そっとベッドから抜け出し、身だしなみを整える。