第4章 恐怖の色
ドマ?その地名に聞き覚えはなかったが、青年が遠くへ行く事には寂しさを覚えた。この人は……私の兄さん?でも顔つきは似ていなかったし、髪も私とは違う暗い茶髪をしている。
「寂しくなる、ね。」
「お前も一緒にドマへ行けたら、良かったんだけどな」
…………。
行かないで、という言葉は出なかった。その前に目が覚めてしまったから。なんともいえない気持ちにため息をつく、やはり私は夢見がよくない。気だるさはだいぶ無くなっていた、外気から逃げるように縮こまり暖かさを得ようとするように内側へと寝返りをうつ。
「!!?」
間一髪、悲鳴は上げずに済んだ。とはいえこれは一体どういう事なのか。
「あの、おはようございます……?」
控えめに隣で眠るケフカ様に声をかける。……が、起きる気配はなかった。だけどこのままここにいるのも……。肘をついて寝顔を眺めてみる。奇抜な化粧がなければ整った顔立ちに……見えない事もない。その眉間には深い皺が寄っていた。ふと指先で眉間の皺をグリグリと伸ばす。
「ん"ん……」
ケフカ様は鬱陶し気に腕で払って身動ぎし、なんともいえない表情になった。干渉されて変な夢になったかもしれない。