第4章 恐怖の色
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「僕ちんの勝手でしょう!?あれは俺が拾ってきたものだ!!!」
「そう興奮するな……、分かった分かった。お前に与えよう。そうも気に入るとは……」
「ん……」
白いシーツをかきボンヤリとした意識の中で起き上がる。気だるい。きっとまだ、魔力が不足しているのだろう。辺りに見覚えはない。しかし今の怒声は……ケフカ様だろう。なにやら皇帝と言い争っているのか……。
拾ってきたということは……ティナの話だろうか。ひっそりと悲しみを抱いた。ティナは物じゃない、……人間なのに。兵器なんかじゃない、幼い女の子だ。私は……幼い子が良いように殺しの道具にされるのを見ているしかなかった。自分のしたことを知ればティナはきっと傷つく……。
「……目が覚めていましたか。」
扉を開けて入ってきたのはやはりケフカ様だった。何を考えているのか暫く戸口で立ちすくんでいたが、ふと口を開いた。
「皇帝様は先に帝国に戻る。お前と私、ティナで出かけますよ」
「……で、でもティナは…」
「明日には目覚めるだろう、すぐこの部屋に移動させる」
あんな酷い深傷で明日……?意識が戻ったとしても街を散策するような体調でも気分でもないと思うのだけれど……。