第4章 恐怖の色
「ティナ……!!」
「ああ、こら!024、勝手な事をするんじゃない!」
駆け寄るも気を失っているだけのようで浅い呼吸を繰り返しているのが見て取れる、その顔はひどく辛そうだ。たまらず私は傍に膝をついて怪我にケアルを施す。ため息と共にケフカ様が背後に立った。
「お前、もしそれでティナに意識があったなら殺されていますよ?」
「……生憎、命は持ち合わせていませんので」
ケフカ様がそうでしたと手を鳴らす。皇帝はアーマーの残骸を踏み越えると辺りに残しておいた兵へ帰還の号を出した。それを耳にして思わず安堵の息を吐く。終わった、全部。やっとティナが開放される。
移動のほとんどは魔導アーマーによって行われていた為、ティナの意識がない今アーマーを置いてもおけず足止めを食らうこととなり近くの街で一晩を明かす事になった。
ティナの傷はかなり深い、私程度のケアルで全快させるのは難しく思えたものの何もせずにはいられなかった。包帯を替えると血が止まっているのが目に入り胸を撫で下ろす。
「ティナ……、ごめんね。」
「何を謝っているんだ?」