第4章 恐怖の色
熱い……、何もかもが燃えている。
嫌な臭いのなか血濡れの剣を握っていた。
辺りには赤い色しかない。
聞き取れない程に震えた声が耳に入る、
それが自分の声だと分かるまで随分かかった。
私、何をしてるんだろう…?
こんな場所居たくない……逃げ出したい。
「たすけて」
腕がもう、上がらない。ここで死ぬのか。
生きながら燃やされるのは辛そうだ。
……嫌な夢。力一杯目をつぶる。
覚めろ、早く覚めろ。
こんな暗く恐ろしいだけの夢なんて、
見ずに済むならソレに越した事はない。
「───おや、」