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魔導人形

第3章 訓練


天涯付きのベッドに横たえられたティナは眠りについたままだ、横顔を見つめ先程の質問を考える。ティナは故郷の事を覚えているのだろう、じゃあ家族は?不慮の事故で亡くなって皇帝様が拾った?いや……でも、それなら帰るだなんて……。

……まさか、ケフカ様がティナの両親を……殺した?産まれながらに宿していたと言われるあの魔力も特異なものではある。遠方から連れ拐ってきたのだとしたら?追っ手のないように、口止めに、両親を殺したのだとしたら。
そこまで考えて頭を振り、自らの思考を否定した。もしそうだとしたら両親を殺した相手という事になる、家を覚えていて幼少期の記憶があるティナは笑いかけたり出来ない筈。

「…………。」

“眠れない”というのは実に辛い事だと痛感する、眠ってしまえたら何も考えなくて良いのに。月明かりが窓から差し込んでいる。それが水色の絨毯をうっすらと照らし、寒々しさを煽る。

「024……?」

ティナの小さな声に振りむく、どうやら起きてしまったようだ。

「もうよるだよ、ねむらないの?」
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