第3章 訓練
ケフカ様のマントが翻り緊迫した空間に似つかわしくない鈴の音が鳴る。大きく隆起した土の塊を挟んで互いを伺い合う。それは熾烈な魔法戦さえなければ追いかけっこといわれても不思議ではないような光景だった。
ケフカ様の抑えきれない笑い声が響く、どうやらサイレスの効果が切れたようだ。ティナの背後にケフカ様が見えて息を飲む。次の瞬間、一撃、ニ撃。花火のように派手な爆発が起こった。膝をついたティナの足元に血溜まりが広がる。
「ティナ!」
「また、まけちゃった……。」
「目に頼りすぎるからなのだァ!頭の中で来ないと決めつけている!戦場は理性の無い殺意なんて、いッくらでも沸いてるんですからねぇ?視界に捕らわれず感じないとぉ!」
魔導兵はやはり治りが良いのか、それとも当たり所を調節されているのか、ケアルにより怪我はたちまち塞がった。治療をする背後から視界が黒い布切れに遮られる。
「うわ、何を……?」
「ティナの苦手な視界を奪った戦闘です」
「えー……あれやるの?」