• テキストサイズ

魔導人形

第3章 訓練


自分の物では無くなってしまったかのような腕に呆然と立ち尽くす。しかし悠長に考えている暇はなかった、額に鋭く割れるような痛みを受ける。よろめくと血が地面に染みを作ったのが見えた。ハッとして顔を上げると、そこにはもう魔導光を宿したティナが迫っていた。

「ッ、ブリザド!」

「ファイア!!」

無意識のうちに魔法を放っていた、魔力が交差し目も眩む光が弾けて世界が暗転する。やがて痛みに重い瞼を開くとティナが心配そうにこちらを覗き込んでいた。

「……きがついた?」

「ティナ…?あれ……」

さっきまでドームの真ん中に居たのに、今は端に居る。あぁ……“殺られた”のか。私はティナに回復されていた。

「ちっちっち……、死ぬには早すぎますよぉ?もう少し意識を保って貰わないとぉ!!これじゃあ訓練にならないでしょ〜お!?」

ケフカ様が腕輪を抜き取ると途端に両腕の違和感が消えた。脳裏に"操りの輪"が浮ぶ、きっとあの類だろう。だから知らない筈の魔法も放てたに違いない。

「ま、僕チンも暇だったしぃ?2人共かかってきなさい?」

ニヤニヤしたケフカ様の足元が不意に隆起する。かかってきなさい、と言ったのに先にかかってくるのはもはや流石ケフカ様としかいいようがない。
/ 163ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp