第2章 おままごと
食べ終わってすぐにティナは眠ってしまった、昨日は寝てないのだから当たり前といえば当たり前か。ワゴンを出すように言われ廊下へと向かうと食事が終わるのを待っていたのか控えていた兵が現れる。ワゴンを受け取り廊下の角へ消えた。
……改めて部屋に戻ると妙な感じがした、見通しが効かないせいだろうか。天幕を捲ると、ケフカ様は眠るティナの手や頬を汚すクリームやソースを拭いとっていた。実に面倒見が良い……ちょっと、異常なくらいだ。まるで実娘のような扱いだ。私に気がつくとケフカ様は口を開いた。
「ティナは絶望を知りたがっている、希望だと信じて」
「絶望?」
ゆっくりと執務机に腰を降ろし、沈黙が降りる。やがて1つ1つ確かめるように言葉が紡がれた。
「朝陽は登る、月は還る。同じ事の繰り返しの日常、それを変える何かを知りたがる。知らないで居られるのは今だけだというのに」
「!」
ハッとした。あの歳に似つかわしくない言葉。確かにあの恐怖を感じたティナの言動は、今のケフカ様のような危うい雰囲気を纏っていた気がする。