第2章 おままごと
静けさの残る早朝の廊下を歩く。
「朝食の席にはレオとセリスもいるが、無視でいいですからね024」
その言葉は許可というより命令だった。まさか朝食ってそんな人達と食べなければいけないのか。緊張から繋がれた手に思わず力がこもる。
「大丈夫、024は私のお人形でしょう?食べる事が出来ないならただ座っていればいい」
「きょう こーてーさまいる?」
「いないよぉ、朝からご公務の予定でねぇ」
辿り着いた扉は見上げるほどもあった、自分の四倍はあるだろうか?そんなことを考えているとスルリと手が離れていき、頭の中が不安でじわりと滲んでいく。ティナは辺りを落ち着きなく見回していた。
「おはようございます皆サン」
悪夢の朝餐会への戸が開かれた。セリス様とレオ様が目に入る。よりによって向かいあうような席だった。セリス様が私を見てやや表情を変えた。
「おや〜?おやおやおやァ〜?椅子が足らない気がしませんか?」
壁際に控えていた兵士が慌てて料理長を叱咤する声を上げた。ケフカ様がそちらに気をとられた隙にセリス様が一つ頷いた、どういう事なのかと戸惑う。今の頷きは私に対してだろう……これで良いというんだろうか。