第2章 おままごと
「024、お前……ものは食べられるの?」
キョトンとした顔が洗面所から二つ、こちらを見ていた。の~?と繰り返すティナ。……そういえば意識が戻ってから食事をとったことはない。体力ではなく魔力で動く私にとってエーテル剤のような魔力を補充することで命が“稼働”しているのだろう。
「……マ!いいでしょう!食べれば分かる事ですしぃ」
「いいなぁ~ごはん いらないなら はみがき しなくていいんでしょ?いいなぁいいなぁ!」
「わ、私も歯磨きはするよ?」
「ほらほらほら!お着替えしてからお喋りしましょ~ねぇ?」
ケフカ様に軽々と抱きかかえられ、ベッドに放り出されるティナ。私も歯磨きくらいする……稀に。普通の生活との差に思わず沈んでしまう。
「じぶんで できる~っ!」
「えぇ~!?そうですかぁ?お前、ボタン留めるのすんッごく苦手デショ~?」
絵面が非常にアウトだ、幼女に襲いかかってるようにしか見えない。……言えないけど。私はこの時忘れていた、さっきのケフカ様の発言を。覚えているならとっとと着替えていただろう。ケフカ様のアレはいつもの事らしくすぐに着替えは終わった。