第2章 おままごと
戯れている、あの冷徹無慈悲なケフカ様が……?新世界に馴染めず呆気にとられる。……異様だと、感じてしまう。戸惑いが隠せない。
「さ、お前は顔を洗っておいで?僕ちんはちょ~っとだけ024とお話があるからねぇ~?」
ティナが洗面所へとかけていき、パタン!と、扉が閉じた。
「024!お前は暫くティナの玩具。僕ちんは忙しいのでねえ」
「はい、」
「ちゃ~んと、……遊んでやるんですよ?」
声のトーンが一瞬戻って目を見開く。……解らない事がまた増えた。一体いつもとこちらのどちらが作り物なのか。
「大丈夫ですよぉ?僕の玩具だって事に変わりありませんからね」
そこじゃない、という言葉はでなかった。不意に優しく頬を撫でた手が言葉を拭って消し去ったから。
「ケフカ~?」
「はいはい~歯磨きしましたぁ?僕ちんが磨いてあげよっか?」
きゃはは!と少女が笑った。ケフカ様は洗面所の扉に腕をかけ、何事か喋っている。ケフカ様が撫でた頬に触れる。違和感は消えない、でも……心地いいと思ってしまった。今日からここに居ていい、ティナの人形として。嬉しく、思ってしまった。セリス様のあの表情さえ忘れて、一時の安らぎに微笑んでいた。