第2章 おままごと
「!」
ティナ以外の魔力を感じる。赤色が染みるように漂い、靴を鳴らす音が響いた。ガチャガチャと騒々しく解錠され、そのわりに普通の仕草で扉を開いたケフカ様の手には何か布が抱えられていた。
「ケフカっ!」
「アラ!寝てなかったの~?目が腫れちゃってるよぉ?」
駆け寄ったティナに唖然とした。てっきり怯えているとばかり……。ケフカ様がティナの頬を撫でる。昨日自ら叩いたその手で。
「そうそう!良いお話があるんだよぉ、ティナ。おいで024」
呼ばれるまま二人に寄るとケフカ様が"笑った"。訳が分からずにただ呆気にとられて立ち尽くす。
「今日からティナの人形の024です。024、お前の主のティナですよぉ?」
「本当!?やったあ!」
ティナが無邪気に私に抱きつく。ケフカ様がティナの頭を撫でた。何故だろう、凄く……和やかだ。
「じゃあ今から二人で024をお着替えさせましょうねぇ~……あ!先にティナでしたねえ!」