第9章 瓦解
■side:Cefca■
ドマ。ドマ、ドマ、ドマ。
壊してやれば全て解決する、早く辿り着けばいい。全部無くなれば……このおかしくなりそうな衝動も吐き出せば、終わる。はっきり言ってしまえば世界も人間も召喚獣とやらも全部殺してしまいたい。何を見ることもどんな反応も全てが気に障る。
俺が何を考えているかなんて誰にも分かりはしないし、破壊されて初めてそれを理解し、その理解はまた無くなるのだ。どうして消える?どうして生まれる?全て無になってしまうのに。
なぜ俺は無になるばかりの理由を考えて吐きそうなほど苦痛を感じる?
何が理由でも、何を感じても、最後には同じようにしかならない。早く壊したい、何も考えたくない。何もしないということに頭がおかしくなりそうだ。
024が腕の中で身動ぎをした。俺の側で殺されるのを待っている、頭のおかしいモンスター。動悸がする、嫌な汗が背筋を伝う。何も考えたくない、この腕の中のものが変質していくのを。
早く壊して終わらせてしまいたい、そうすれば考えなくていい。なのに俺は死を待たせている、形ばかりの『愛情』に腕の中のものが安堵しているのを感じる。恐ろしくなった。