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魔導人形

第9章 瓦解


ドマにセリス様は行かないらしい、リターナーの調査だろうか。魔導士ではないが一番の軍力をもつレオ将軍がドマとの戦いに行くのだとか。ケフカ様は憎々しげにレオ将軍を眺めている。視線の先には兵士たちに労いや励ましの言葉をかけてまわる姿があった。

「要らない時間ばかり食う能無しの甘ちゃんのせいで、仕事が滞るんですよねえ!ああやだ、要領が悪くって!!」

「……要領?部下に反発されていては余計に時間を食う」

「ケァーッ!良い子ぶりやがって!反吐が出る……」

空気が悪い。ケフカ様に全く接触しないので怯えたり事なかれのタイプなのかと思っていた……。どうやらそうでもないらしい。流石に軍を率いる人間が温厚とはいかないか。
───と、レオ将軍と目が合う。哀れっぽい眼差しを向けられ嫌な気持ちになった。シドさんと……同じ目だ。

ケフカ様は苛立ちを隠さない様子だったが、むしろ当たる先があるからか悲壮感はなかった。どこかそれにホッとしている自分がいる。前みたいに今をただ生きるケフカ様はちゃんとここに居るんだ。

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