第8章 独占欲
「そうですか」
ケフカ様が目を細める。バチンとブレーカーが落ちたような感覚、ふと立ち眩みがしたような気がした。
「───024」
「はい……?」
「意識は……ハッキリしていますね。帰りますよ」
帰る?でも、今報告を受けた村に……。ケフカ様の顔色が悪い、いや、機嫌が悪い?首に触れるとチョーカーがなくなっていた。戸惑ってケフカ様を見、辺りを確認する。落ちてはいない。
「……もう、済ませた」
怒りの滲んだ声音。指先にかかった黒く煤けたようになったチョーカー。しばらく理由が分からずに交互に見比べてハッと腕を見る。魔力を放出しすぎたあの痕が腕に増えている……!
「わ、私……意識を?」
「いや、それは俺がやった。やっておいて正解だったが……。
魔力に満ちた洞窟がありましてね、やはりお前は外気の魔力が濃いと駄目になる」
約束を守れなかったのだろうか。声に操られて?手を握りしめる。ケフカ様は輪を布で磨き魔力でねじ曲げていく。そのねじれは疑いの深さのように思えた。
「……取り出すまでお前には眠っていてもらいます、いいですね」
「…………はい」
それは確認というよりも命令だった。首に輪がはめ込まれる。電源を落とすように視界が真っ暗になった。