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魔導人形

第8章 独占欲


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「すごい……普通の首飾りみたいです、……翼?」

「見た目を損ないたくありませんからね、私の羽と意匠を似せてみました。あと、装備していた指輪から石を移した」

ケフカ様の頭でお気に入りの羽根飾りがゆれる。お気に入りかあ、と頬がゆるむ。

「何をヘラヘラしてるんですか、つけますよ」

「はい」

首につけやすいようにと顔を寄せると一瞬ちらりと視線がかちあった。妙な間を置いた後、首に輪がまわる。項の辺りで羽の意匠がカチリと鳴って噛み合わさる。視界にはもはや映らないがしゃらりと青い石がチョーカーから垂れている感触があった。

「……良いですね、存外」

「……?」

ケフカ様の指が輪をなぞる、やはりゾワゾワして落ち着かない。それでも何かが腑に落ちるような、先程よりもしっくり来る気がした。不意にグイ、と指をチョーカーに引っ張かけ口付けられる。

「……っ」

「ふむ、ようやくスッキリしましたねえ。都についたらお前から色々取り出すとして、それがあれば声も聞こえなくなるでしょう」

ぺろりと赤い舌がのぞく。今までよりも妙に恥ずかしくなって俯いた。散々されて慣れたろうに、変だ。
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