第8章 独占欲
「言ったろ、だから俺はこの輪を作る事はできる。俺が手放したくないものには。後は仕組みだけだ、それと、ほんの少しのアイデア……」
アイデア。ただティナを操ったようにするのではなく、私の意思と奥にある魔力がもつ"別の意思"をも支配すること。パチン、とピースが噛み合った気がした。
「ケフカ様、これって自分にも使えますかね」
「自分で自分を封じるのか?本心から強く念じられるとは思えないが……」
「ええ、ですから私ではなく"私ではないもの"だけを。これがチョーカーにできたら……上手く出来ると思うんです」
ケフカ様が片眉を上げ、首を傾げる。私は自分の胸から頭へと指でさし示した。魔力の流れが感情を思考にするために頭へと流れていく、あの感覚。そこで私と別の意思を選別するゲートを作れれば……。
「私にそこまでの意志はありません。だから通したくない意志があるケフカ様が作った輪の"約束"を私が守ったらどうかって。
それなら私、強く念じられると思うんです」
「ファーッ!おかしなことを言い出しますねえ、お前は!」
愉快げにするとケフカ様が爪で紙面を掻く、それに呼応するように魔法陣に魔力の光が走る。数度それを繰り返すと満足そうに唸った。
「やってみましょうか」