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魔導人形

第8章 独占欲


「正しくは拘束の輪、ただの魔封じの道具です。これは未完成だ、まだ何も封じるものを決められていない」

「……?」

「お前も、俺に何か思う所があるんですねぇ……。怖いくせにどうしたいかは腹の底にある。だが、やるつもりもない。だから俺は無事で居る」

ケフカ様はニヤつくと私の震える手を指で撫でた。
つまり、私はケフカ様をどうかしたいからこんな感覚でいるの?そうしたくて?そうしたくなくて?分からない。そもそもどうしたいかすら、まるで私に自覚はなかった。

「……無理をせずに、眠ったり食事をしたり健康で居てほしい……とか?」

「それを躊躇うのか?……魔術は大陸から忘れ去られて久しいが名残は残ったままだ。指輪やネックレスなんかを贈る文化にな」

不意に思い当たり頬がカッと上気するのが分かる。なるほど、躊躇うがどうしたいかはあるというのは……。私はそれが怖い、のか。でも、深い場所から願っているんだ。

「俺も乗せてみるか」

「それは不正なんじゃないですか?」

先に分かっていては反応も変わるのでは?と見るとケフカ様はおかしそうに笑っている。物騒な道具を手に笑い合う姿は端から見ればさぞ異様だったろう。
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