第8章 独占欲
それにしても、こんなことが国に帰るまでずっと続くのかと思うと気が休まらない。どんどん快楽に思考が溶けていく。私とちがってケフカ様は魔力が見えない、普通は分からないと言っていたものを何度も何度も執拗に魔力の道筋を確かめ覚えられていく。昨日に飽き足らず今もこうしている所を見るに一朝一夕とはいかないらしい。
「……魔力で出来た仕組みだからか魔力を拒むのが下手くそですねえ、お前。すっかり納得してるでしょ、最初は抵抗してたのに。俺が感じた事をずっと叩きつけられてればそうもなるか」
「納得というより拒めないというか……もっと知りたいと、いうか……。ケフカ様の思考が私でいっぱいになってるのを感じると……嬉しくて」
ぐ、とケフカ様が唇を引き結び顔を手で覆う。て、照れてる……?珍しいそれを注視していると余った手で視界を遮られた。
「なんで隠すんですか」
「あんまり僕のことを見るからでしょうが……」
隠してくる掌に手を添えてそっと降ろす。やはり照れている!染まった耳に手を伸ばすと避けられた。ニマニマしていると机に体を押さえつけられる。
「調子に乗ってると……僕ちん、もっと虐めたくなるかもなァ」
「え、あっ……!」
指先が襟ぐりの内にねじこまれ肌をなぞった。ボタンにひっかかって止まるとニタッと笑う、意味することを察して真っ赤になった。
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