第2章 おままごと
何も言わず宥める様に頭を撫で続けた、声をかけるとしたら慰めではなく問いかけになるだろう。私は沈んでいた、ティナは当たり前だがただの子供だ。何を期待していたのだろう。これではセリス様の命も真意を果たせているとはいえないのでは……。
いつの間にだろう、ティナは泣き止んでいた。大きな瞳が僕を覗き込んでいる。
「へんなひと、」
へ、変な人……そりゃあ私は変というかゾンビというか、歩く死体だけど今のは子供の純粋な台詞だけにすごく傷つきましたよ……。
「なんにもきかないのね?」
「っ」
歳に似つかわしくない見透かしたような言葉に動揺する。少女に表情はない。一瞬、怖いとすら感じた。不思議な子だ。
「聞いたって仕方ないよ、私が知りたい事は多分ティナも知らないから……」
「………」
探るような鋭く深く澄んだ瞳。何もかも見通されてしまいそうな気がして私は目を逸らした。