第8章 独占欲
「打つ手はある、俺に出来ない事がある筈ないんだ」
ケフカ様が自らに言い聞かせるようにブツブツと呟き爪を噛む。独り言のようなそれによれば、1つ目は私のように魔力を見る為の研究。2つ目は力を封印する為のコントロール、セリス様の得意分野らしい。3つ目は操りの輪だ。
「次にお前が気を失うまでにまず操りの輪を作る、そうすれば肉体は呪縛され内側の意識がなんであれ俺様に逆らえる筈がないのだァ……!そして帰還までに中の何かを俺自身が認識できるようになれば……!」
操りの輪と聞いて背がヒヤリとする。ケフカ様は聞き取れない早口で何かを言いながら作業に取り掛かりだした。
魔導具がどうやって作られるか考えたことはなかった、ケフカ様は細い金属を魔力を込めながら編んでいく。
呪いの成り立ちを眺めながら考える、あの意識は一体なんなのだろうか……ヒトの形をしていた。そもそも最初に体が奪われそうになった日、私は行ってはいけないような気がしていた。
体を奪うならそれを感知させるのは不都合ではないだろうか……?
「ケフカ様、」
「なんです!」
「……」
だとして、それをどう話せばいい?そもそも伝えた所で何になるのだろう。強い語気を見せたケフカ様の前に弱気になり言葉が続かない。